アメリカ時代、何度かクリスマス・ディナーに招待された。そこでは、メインは普通にビーフとかハムが出てくる。
そのときにウケる話がこれだ。
「日本ではクリスマスにはチキンを食べるんだよ」
「チ、チキン⁉️ なんでまた?」
〝チキン〟にはスラングで〝臆病者〟という意味があるので、ことさらに驚く。
「多分、ケンタッキー・フライド・チキンの陰謀だね」
「爆笑」
アメリカ人たちは11月末の「感謝祭」から「クリスマス」のほぼ一か月は「休暇モード」全開になる。広い国土に散り散りになっている家族が一同に会するパーティでいっぱいだ。
11月第4木曜日の「感謝祭」の前になると、マーケットの食品売り場には丸ごとの「七面鳥」が山積みになる。これを求めて、詰め物をして1日とか2日掛けて、ご主人が焼き上げる。
「メイフラワー」号に乗って、ミルクと蜜の新大陸を目指して、着いたところがボストン郊外のプリマス。11月21日。この頃ここへ行ったことがあるが、雪も降って十分に寒かった。そんな寒さに凍えて死にそうなイギリス人たちを見るに見かねたインディアンたちは、貯蔵していた芋、トウモロコシ、七面鳥などなど、そして家と土地までもそのイギリス人たちへ与えた。これにより彼らイギリスからの逃亡者たちは冬を越せた。だが、その忘恩の徒アングロたちは、すぐにインディアンの土地の収奪を始めていくのだが……。
とにかく、そのインディアンたちからの親切を忘れずにおこう、というのが、「感謝祭」の起こりとされている。だから「七面鳥」は必須の食べ物なのだ。(正式には、羽飾りもにぎにぎしいインディアンの酋長も加わる。)
その本国のイギリス。
ここでのクリスマスにはトルコを経由したアフリカ原産の「ホロホロ鳥」を食べていた。次いで、アメリカから輸入された「七面鳥」がやってきたとき、これをトルコからの「ホロホロ鳥」と同じであると勘違いして、たため、turkey (七面鳥、トルコ)と呼んでしまって今日に至るらしい。
だから、イギリス人たちは、クリスマスには「七面鳥」を食べる。
それがなぜ日本のクリスマスには、チキンを食べるようになったのか?日本には「ホロホロ鳥」も「ターキー」もマーケットにない。 そこで……
とにかく、「クリスマスにはチキン!」って、KFCの仕業と考えて間違いはない。神戸のチョコレート屋が仕掛けた「セント・バレンタイン・ディ」のチョコ・キャンペーンと共に、物凄く成功したキャンペーンであることは間違いがない。
ハレルヤ‼️
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