抱きしめられている

10年ほど前。
20過ぎの若いお嬢さんがmixiの書き込みで、

「抱きしめられることなんてきっともう無いけど、
 私はいつも、父の存在に抱きしめられている」


ってあって、うっ!と呻きました。
そんな事を口走りそうではないタイプであったので、何度もその短い文章を読み返した。
なにかじんじんと押し寄せてくるものがありました。
もしかしたら、その父に嫉妬していたのかもしれない。

そのお嬢さんは結婚して、先ごろ男の子を出産しました。
すでに“抱きしめる母の存在”になっているらしい。

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砕け散ったプライドを拾い集めて

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