マスク愛好民族

ざわちんのマスクは許していい。芸の一部分なので。

冬が来るのと白マスク(メディカル・マスク)着用の人が増える。気がつくと電車のなかの半分くらいの人がマスクをしていて、白昼夢にうなされる。ジョージ・オーウエルのディストピア『1984』か?って。

街中でマスクを掛けて歩くって日本だけの特異な現象だと思う。少なくとも、アメリカでは一度として見たことはない。
アメリカ駐在のある母親が子供が風邪を引いたのでマスクさせて学校に行かせたら、1時間の間に20人以上のクラスメイトから「それ何?」と聞かれたという。マスクの存在さえ知らない。

日本にいるアメリカ人とマスクについて話したことがある。「マスクをしていたら『強盗』か『廃棄物処理や工事などの作業員』と思ってしまう」と言っていた。いずれにしても、「マスク」=「強盗」になることから、「ストキング強盗」の話に脱線して、街中でストッキング被って歩いたり、マスクをつけて歩くのは止めようね。周りの人が気持ち悪いから……と大笑いになった。
その場にいたイギリス人は「空気を通じて感染するような病気に罹っている」と思われると言っていた。これはこれでシリアスだ。

AXN『シカゴ・メッド』というメディカル・センターのドラマがある。医者、看護婦。患者がごっそり出て来るが、ひとりとしてマスクを掛けていない。(見落としてなければ……)
日本の病院ではマスク着用がやはり見られるけどね。これ、どう考えればいいの?

ちょっと調べたら、戦前に内務省(今の厚生労働省)が公衆衛生の改善のために、児童・生徒の風邪対策としてマスクの着用を指導したらしい。当時とは衛生環境・医療環境その他が格段に改善されているのに、マスク着用ということだけが”いわしの頭も信心から”のように信仰されている。まあ、一旦引き込んだ風邪やインフルを他人に伝染させないことにはほんのちょっとの効果はあるみたいだが。それよりも、周囲に気遣う“よき市民”としての免罪符の役割が大きそう……。

世界に冠たる「清潔愛好民族」が形を変えて「マスク愛好民族」になちゃっているんだろうね。

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