パンデミック


 新型コロナCOVID-19の勢いがなかなか衰えない。
今日現在で世界…感染182万人、死亡11万人。ヨーロッパのイタリア、フランス、スペインそしてアメリカが酷い数字なっている。アメリカの感染者50万人超え、死亡1日で200人という有様。
対して日本では、感染者:7399人 死亡137人という(本日現在)。
(2017年のインフルエンザの死亡者数は1800人くらいいっているので、現在のところ、それより軽微だとも言える。)

それを「日本人は清潔だから」ということを理由にする人がいる。まあ概論的に言えば、世界に冠たる「清潔愛好民族」だとは言えなくはない。
幕末期に日本に来た外国人たちが異口同音に街中がこざっぱりと「清潔」であることに驚嘆している。このことで西洋列強が日本を植民地にすることに二の足を踏んだという論を立てていた人がいた。つまりこの民を農奴なり奴隷にするのは難しいぞと考えたと。まあ、眉に唾して聴いた。

今回の感染症に照らし、アメリカ人との彼我の差を考えてみた。

1)手をよく洗う。……日本人の方が多いかもしれない。
2)身体接触が多い。……コミュニケーションの一環として握手、ハグ、キス、などが当たり前のアメリカ人。それらがほとんどない日本人。

3)発音で破裂音が多く、唾が飛びやすい。……日本人はむしろ口を開けない。  
4)手掴みで物を食べる。……彼らの食のマナーで素手でハンバーガーや〝パンを千切る〟などがある。日本ではマックが入って来てそれが奇異ではなくなったが、%は小さい。
5)マスク(※後述)
6)靴を脱がずに家に上がる。……これを指摘する人は少ないが、関係していると思う。日本人は100%靴を脱いで上る。
7)移動手段:アメリカ……NYなどを除けば車の移動。日本は通常は電車。とりわけ通勤は世界的に有名なラッシュ。「密閉」「密集」「密接」の「3密」の権化。

†: この項目7)で1)〜6)の「清潔好き」をトレードオフにして、マイナスに転じようという勢いである。  

※マスク:
トランプ大統領が「マスクなんか関係ねーよ」と言っておいて、感染数にビビリ、「マスク悪くはないかも知らん」に変わった。
AXN『シカゴ・メッド』というメディカル・センターのドラマがある。医者、看護婦。患者がごっそり出て来るが、ひとりとしてマスクを掛けていない。(今後は変わるかも知れないが……。)
 だから、アメリカ人には日本のまちなかでのマスクは非常に奇妙な風景に映る。

 なぜこんなに日本人はマスクが好きなのか?
ちょっと調べたら、戦前に内務省(今の厚生労働省)が公衆衛生の改善のために、児童・生徒の風邪対策としてマスクの着用を指導したらしい。当時とは衛生環境・医療環境その他が格段に改善されているのに、マスク着用ということだけが〝いわしの頭も信心から〟のように信仰されている。まあ、一旦引き込んだ風邪やインフルを他人に伝染させないことにはほんのちょっとの効果はあるみたいだが。それよりも、周囲に気遣う〝良き市民〟としての免罪符の役割が大きそうだ……。

 NYの病院で、COVID-19の患者が産婦人科病棟にまでウロついて、産婦人科医2人がその患者とただ行き交った。話もしない、触りもしない。その後2人の医師は陽性になった。……これほどの強敵にマスクで闘えるのか?

つまり、日本が特段にこのウイルスについての備えが万全とは言い難い。なのに、なぜ日本では「アウトブレイク=(感染大流行)=パンデミック」にならないのか?は、誰にも分かっていない。したり顔で解説する人は多いが、本当のところは誰も分かっていない。
アメリカや欧州の「新型コロナ」は既に変異して感染力が数倍以上に増しているというのが、最も理解しやすい仮説ではある。

日本の徹底したBCG接種が「新型コロナ」の抗体をも作っているという論文をまとめたオランダその他の研究者がいる。でも国際的に認証されたものでもない。
とにかく、ワクチンを開発を早めにしてもらって、心穏やかに暮らしたい。

 


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