バンジョー2021.10.16 11:59何度かここでも紹介したことがあるHMという名のアメリカ人の友人がいる。彼は英語の表現で“He is gifted“と言われる種類の才能豊かなヤツだ。 名門ペンシルバニア大学のビジネス・スクールである「ウオートン・スクール」を出ている。(トランプ元大統領もここへ入っているが、どうやら替え玉でパスしたらしい。それ故、HMはとても嫌っている。) 卒業後、NYで音楽の道を選択した。作曲やら音楽プロダクションの経営にも手を染めたが、〝飽きて〟アメリカ を離れてヨーロッパをふらついて、絵を書き始め、ついでのようにパリでレストランを2つ持って、しこたま儲けたらしい。いろいろあって、再びNYへ戻ったが、例の「ブラック・マンディ」にそれまでの〝あぶく銭〟をすっかりやられて、尾羽打ち枯らした。 そのあと、趣味にしていた絵を描くことに傾斜して、オーストラリアのアボリジンの点描や日本の墨絵も技法として取り入れて、自分の画風を作り上げて来ているように思う。 いまでは、定期的にアメリカで巡回展をやっている。 彼の数々の〝神様からの贈り物〟のなかで私が最も驚いたのは、「フォトジェニック・メモリー」だ。例えば、本一冊読んだとして、それをマイクロフィルムで一枚一枚を記録したように脳味噌に収納されてしまうということだ。大学の試験も、前の日にテキストブックをサーッと通読するだけで、OKだという。 彼のさまざまなトピックスのなかで、ちょっと気になって調べて〝そうだったのか!〟ということがあった。 彼がパリでレストランをやっていた頃(1980年代頭かな?)、イギリスのバンド「ローリング・ストーン」(ミック・ジャガー)から電話があったという。内容は「レコーディングにバンジョーが必要なので、バンジョーを持って弾きに来てくれ」ので、行ってきた……と。「ヨーロッパにバンジョーはないので」と言っていたように思う。 で、最近の疑問は、本当にバンジョーはヨーロッパにないのか?だった。 調べたら、なるほどヨーロッパにはあるはずがない。「バンジョー」は奴隷としてアメリカへ輸入されたアフリカ系黒人が故郷の楽器に似せたものを、有り合わせのもので作り上げた撥弦楽器だったのだ。それが白人のカントリーやとりわけブルーグラスに重宝されるようになった楽器で、他にはなかなかないはずだ。 バンジョーの忙しない演奏が一気にブルーグラスへ持って行ってくれる。 バンジョーの名手:スクラッグスの演奏https://www.youtube.com/watch?v=yQIJuu3N5EY 0コメント1000 / 1000投稿2021.10.25 08:46岡康道回顧展 2021.09.13 12:07グラスの底についてくるコースター砕け散ったプライドを拾い集めてことば、いい話、ワロタ、分析・洞察、人間、生き物、身辺、こんな話あんな話、ショート・エッセイ、写真、映像……などフォロー
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