人生を愛してもいないのに、子孫を残そうだって

【wording】

ミシェルが幼馴染のアナベルへ、アイルランドの「遺伝子研究所」に結構長めに行かなきゃならないのだと告げた後……

(アナベル)
「連れていってくれるつもりはないのね」
  
「そんなこと考えもしなかったんだわ……」

 「十二歳のころはあんなに仲良くしていたのに……」

 「あなたの子供がほしい。誰かにそばにいてほしい。あなたには育てる必要もないし、認知してくれとも言わない。……とにかくあなたの子供を産ませてほしい。自分がもう40歳だということは知っている……」

(ミシェル)
「奇妙なことを考えるものだ」
……「人生を愛してもいないのに、子孫を残そうだって」

世界中のどの女性にも性欲もなければ愛情もないミシェルの切り裂いてから踏み潰すようなお言葉。
「ミシェルのペニスは小便のためにだけある」……という描写がニヒルだ。

(ミシェル・ウエルベック:『素粒子』)



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