【ショート・エッセイ】
1960年のオリンピックのローマ大会の水泳400メートルリレーで富田一雄という選手がいた。
彼が泳ぐと「カツオ!カツオ!カツオ!」と観客からの大声援・大合唱が凄い。というのは、イタリア語でcazzo(カッツオ)って“おちんちん”のことを指す。だから、「おちんちん、おちんちん。ガンバレー!!」などと大声援で盛り上がり、その合間にクスクス笑いとか大爆笑も伴っているわけだ。
富田選手も当初は自分の人気に気をよくしていたのだが、後刻自分の名前のイタリア語での意味を知り愕然&悄然。
日本人の女性がイタリアの家庭にホームステイ 。その日の夕食は彼女が日本料理をふるまう番。
キッチンで下ごしらいをしていると、中学生の次男坊が見学に来た。
彼女はワザと「鰹のけずりだし」の粉末を取り出して、「これが凄いのよ」って意味ありげに。 彼の「それなーに?」に応えて、彼女は「cazzo(カッツオ)の粉末よ」と煽る。次男坊は目が点になり立ちすくむ。 でも、そこはそのままにするではなく、きちんと説明をしたのだが……。
それからが大変。 次男坊が居間にいる家族を一人づつキツチンに連れてきて 、「これなんだと思う?」「cazzoだよ!cazzoの粉末!」……家中で「カツオ、カツオ(おちんちん、おちんちん)」が飛び交って笑い転げている……。
イタリアでも日本のアニメは大人気だが、『サザエさん』だけは難しいという。問題は「磯野カツオ」だという。でもね、上二つの話がウケているのなら全然OKじゃないの?
0コメント