1987年、俵万智の第一歌集『サラダ記念日』が初版3,000部で出したものが、一種の社会現象になっって、結果300万部も売れた。
──「この味いいね」と君が言ったから 7月6日はサラダ記念日
──「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの
──万智ちゃんが欲しいと言われ 心だけついていきたい花いちもんめ
そして……。
俵万智の言葉によると、「もてはやされたり、意地悪されたり、もうなにがなんだかわからないような日々を過ごしていた」そうだ。
そんなある日、歌人の佐佐木幸綱から言われた。
「君は心の中の音楽を聴ける人だから、何があっても大丈夫。自分の心に耳を澄ましていれば、道を失うことはない。」
俵は早稲田大学で佐佐木の講義を受け、みずからも短歌を作るようになった。
まさに人生の恩師である。
この言葉で俵は平常心を取り戻すことができたと振り返る。
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