うねるような激しい筆遣いに、鮮やかな色彩……「炎の人」=フィンセント・ファン・ゴッホ。
その彼が画家になる決意をして間もなくのオランダ時代の素描二点。 黒一色の生真面目な表現は、よく知られた画風からは遠い。絵画はおおむね独習で、画家になるには、まず素描に習熟する必要があると考え、教本などで学んだという。
当時養老院の老人に代金を払ってモデルになって貰っていた。この素描に後年のゴッホの筆使いの萌芽が見て取れるような気はする。
いずれにしろ、天才的なひらめきによって彼の画風が生まれたわけではなく、地道に努力を惜しまない人であったと思う。
「人は天才に生まれるのではなく、天才に成るのだ」
という言葉を耳元で囁く者がいる。
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