お年を召さないと悪魔のいうことはおわかりにならない

↑(カルフォルニア州サリナスにあるジョン・スタインベックの生家)

ジョン・スタインベックの『エデンの東』の舞台はまさしくこのサリナスで展開する。
この物語のなかに「リー」という中国移民らしい執事が出てきます。
この彼が英語がよく解らないなどと言いながら、その家の双子の兄弟たちを戒めて、
なかなかにクオリティの高い警句とか箴言を挟み込んでくるのです。
その彼が引用というよりは自分の言葉のように呟いたのが……

『おぼっちゃまたちだ、大目にみてあげよう。
お年を召さないと悪魔のいうことはおわかりにならない』


……で、調べたらゲーテの『ファウスト』のなかで悪魔の「メフィスト」が言うセリフでした。
このリーというおじさんも油断ならんのだが、スタインベックも油断がならない。

まあとにかく最近、ほんの少しだけだが悪魔の言うことが分かってきたかな……。

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