スゴイ人は威張らない

＜一橋大学楠木建教授が「文春オンライン」に書いていたことを要素だけを書き抜く＞

 楠木さんが同僚で先輩の佐山展生さん（一橋大学教授、インテグラル代表取締役）と話をしていたときのこと。
楠木さん：「やたらと威張る人がいるでしょ。アレ、嫌ですね。偉い人ほど謙虚ですね」
佐山さん：「あーそれはね、別に謙虚というわけではないんですね。本当のプロは、『自分はまだまだダメだ』と心底思っているんですよ。だからまるで威張らない。本人の中にそもそも威張る理由がないんですね」
スゴイ人が威張らないのは、これに加えてもうひとつ大きな理由があると楠木さん……。
全方位的にスゴイ人などこの世の中に存在しない。
「この人には敵わない……」と思わせる人でも、ある分野において余人をもっても代えられるわけで、すべてについて等しくスゴイ能力があるわけではない。
全面的に「余人をもって代えがたい」となると、もはやスーパーマンか神……。 ある分野で圧倒的な能力を持つ人でも、別の分野になるとそれほどでもない、もしくは意外なほどヌケているというのはよくあること。

その人のずば抜けた能力のすぐ裏側に明らかな弱みがあることが多い。
「弱みを克服して、強みを伸ばす」というのは虫が良すぎる話だと思う。
その人の最大の強みは最大の弱みとコインのウラオモテになっているものだ。