フロンティア・スピリッツ

【こんな話】

1893年に発表した歴史学者のフレデリック・ターナーが『アメリカ史における辺境』という学会のレポート並びにその書籍が、現在のアメリカ人気質をも描写していて面白い。曰く……

アメリカ人の知性の著しい特徴は辺境のお陰である。抜け目のなさや詮索好きと結びついた粗野な性質と力強さ、便法を素早く見つけるあの実際的で創意に富む心の傾向、偉大な目的を達成するために芸術性はないが力強く実質的な物事を巧みに把握する能力、あの休むことを知らぬ逞しい精神力、善と悪との両面に働きかけるあの優勢な個人主義、それと同時に自由から来るあの陽気さと持ち溢れる活気―これらは辺境が持つ特質である」

 ここでいう「辺境」とはそのまま「フロンティア」のことだ。つまり、独立後アメリカン・インディアンを排除、掃討するための「前線」は次第に東から西への「西漸運動」となり移動していった。。つまり、“インディアンの国”と踵を接した「戦闘前線」もしくは「国境」のことを「フロンティア」というのだという。インディアンを殲滅、虐殺する〝現場〟のことだ。そこで醸成された精神を「フロンティア・スピリッツ」という。

アメリカという国は独立以来、今日現在まで絶え間なく戦争して来た世界史的にも珍しい国だという。その初期の戦争がアメリカン・インディアンとの戦争であった。
1890年ぐらいにアメリカン・インディアンの掃討は終了して、生き残ったインディアンは「インディアン居留置」に押し込められた。





 

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