桜の樹の下には

ソメイヨシノの桜前線が北上し、全国を席巻している。
これは奈良県、「本郷の滝桜」。

とりわけ、こういう桜を見ると〝狂女の情念〟を感じてしまう。
そんなとき、梶井基次郎の『桜の樹の下には』読んで、そうなのか……そうかもしれない……って思った。

「桜の樹の下には屍体 が埋まっている! これは信じていいことなんだよ。何故 って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。」


※短編なので、後も読んでもらっていい。⇨続き

梶井は『檸檬・ある心の風景 他二十編』(旺文社文庫)ほかを発表して、その感覚と知性が融合した澄み切った文体が大いに期待されたが、31歳で夭折してしまった。

で、長い間梶井の風貌を知らなかった。



彼の文体とはちょっと距離があり、ちょっとだけだが驚いた。

0コメント

  • 1000 / 1000

砕け散ったプライドを拾い集めて

ことば、いい話、ワロタ、分析・洞察、人間、生き物、身辺、こんな話あんな話、ショート・エッセイ、写真、映像……など