よいアイデアはどこから?

(オックスフォードの「グランド・カフェ」)

(「グランド・カフェ」の内部)

アメリカのポピュラー・サイエンスならびにメディア理論家のスティーブン・ジョンソンが2010年TEDにおいて、「よいアイデアはどこから来るのか?」のプレゼンテーションをしている。

その冒頭をオックスフォードにある英国で最古のコーヒー店『グランドカフェ』から始めた。開業が1650年のイングランドで 最古のカフェだ。
1603年には徳川幕府が樹立され、1650年は三代目の家光の御代。ま、日本にも「茶の湯」とか「お茶屋」はあったが、後者はカフェとは相当に違う。

 Sジョンソンが言いたいのは、英国のカフェがこれまで500年にわたって 英国の知的創造の発展と普及の中心的役割を担ってきたというのだ。 つまり、コーヒーや紅茶が 英国文化に浸透するまで は、上流階級も 一般大衆も 毎日々朝から晩まで酒を飲んでいたという。朝食でビールを少し 昼食でワインかジンを少し、夜はビールとワインで仕上げる。水が安全ではなかったので、これ幸いと 酒に傾斜したわけだ。要するに、 カフェができるまでは英国の人々は一日中 酔っぱらっていた。

 ところが、このぶったるんだ生活をカフェインでが覚醒してくれた。頭がスッキリして、 いいアイデアが浮かぶようになった。

カフェが重要なことはまだある。その空間構造だ。さまざまな経歴の人たち、さまざまな分野の専門家が この空間を共有する。マット・ リドリーが言うところの「 アイデアがセックスする」空間だ。恋人同士のベッドのようなもの。ここでアイデアが交じり合う。そして、素晴らしい革新が生まれ、英国が世界史の主役する「産業革命」へとリードして行ったというのだ。 この時代に生まれた膨大な数の革新を紐解くと その歴史のどこかに必ずやコーヒー店が関わっているとしている。

https://www.ted.com/talks/steven_johnson_where_good_ideas_come_from?language=ja


一理はあるのかも知れない?
でもね……、私は元来酒を飲めない。だからと言って覚醒しているかどうかは分からない。目覚ましいアイデアもそれほど惹起してこない。カフェにはよく行く。人ともよく話をする。でも「アイデアのセックス」をして革新を生んだこともめったにない。
どうしたもんだろう?

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