机の上に何もない人は頭の中にも何もない


「雑然としたデスクはその人の考えが雑然としている証拠だとすると、何もないデスクの持ち主はどうなるんだ?」(アルベルト・アインシュタイン)

 私の机の上とか部屋とかいつも雑然としていて、親からもいつも口酸っぱく片付けるように言われ、心の乱れだとキツく言われてきた。少しも治らずここまで来た。 でも、アインシュタインは……

「机の上にモノが無い人は何も考えられないことになる」

 と、すぽん!と言ってくれている。かのアインシュタインが言うと説得力バツグンで、とても心強い。これでいいのだ!と。
 省みると、机の上がごちゃごちゃの奴の方が、仕事はよく出来たことは確かだ。何か関係があるのかも知らんとぼんやりと考える。

 近接して「クリエィティブ脳」という言葉がある。一丁前の人間なら、外部から入って来た情報を取捨選択して、カテゴリーに分け、編集してきちんと収めておくものだ。でも「クリエィティブ脳」の人は、入って来た情報を何でも乱雑に取り込んでしまう。結果、頭の中は近隣住民からクレームが殺到するゴミ屋敷になる。当人からすれば、どんなゴミでもそれがいつ発火するかも知れないという〝クリエィティブ的貧乏性〟からついついそうなってしまう。

 近接して、「セレンデビティ」という造語がある。イギリスの政治家で小説家のホレス・ウオルポールが小さい時に読んだ『セレンディップの3人の王子さま』の物語……その3人の王子がある宝物を探しに行ったが、寄り道や脇道に入った挙句に、結果オーライ!で、より素晴らしい宝物に巡り合ったというお話だが、〝その種のこと〟を指すテクニカル・ターム。だから、なおのこと創作活動の人はどんなゴミも捨てられない。

この「クリエイティブ脳」の能力をさらに増幅させ、良き化合物を作成するアタッチメントを装備する場合がある。添加物もしくは媒介物と言ってもよい。フランス語でいう「エジェリ」というものだ。その装置で乱数度をさらに上げるのだ。 ダリのガロ夫人とか岡本太郎の高橋さんが有名だ。

 多くを言及するのは避けるが、この「乱数表」とか「セレンデビティ」とか「クリエイティブ脳」を国家レベルで涵養し装備している国が「アメリカ合州国」だと思う。世界を席巻するGAFAが昨日今日生まれてきたわけではない。建国以来のこの国の文明〝パクス・アメリカーナ〟そのものが〝後背地〟なのだと思う。

 ……というわけで、思わぬところに着地してしまった。
まあ、大目に見て許されよ。 

0コメント

  • 1000 / 1000

砕け散ったプライドを拾い集めて

ことば、いい話、ワロタ、分析・洞察、人間、生き物、身辺、こんな話あんな話、ショート・エッセイ、写真、映像……など