石川さゆりの『飢餓海峡』。
メロディだけ聴いているとさほどに感じられなかったのだが、改めて歌詞だけを取り出してみると、吉岡治の詞がもの凄い。
♪
ちり紙につつんだ足の爪
後生大事に持ってます
あんたに逢いたくなったなら
頬っぺにチクチク刺してみる
♪
…
…
🎵
遣らずの雨ならよいけれど
泣いてるみたいな恐山
殺して殺して爪たてて
首にあんたの手を巻いて連れてって
🎵
https://www.youtube.com/watch?v=5uIAq4eJ6Lw
吉岡治はどれほどの修羅場を……それも何度経験してきたのか……?って想像を逞しくしてしまう。
(※吉岡治は作詞家、放送作家、2010年没)
〝男が切った足の爪をちり紙に包んで持っていて、その彼に会いたくなったら、その爪で自分の頬を刺す〟って鬼気迫るよね?
吉岡が描写したこれらの〝女の情念〟を下品に落ちずに表現できるのは、やはり、演歌というポエムの語り部である石川さゆりの実力なのだろうとは思う。
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