【こんな話】
札幌から小樽に向かい、朝里を過ぎたあたりの「毛無山」というインパクトの強いネーミングの山がある。この名前を目にするやいなや、同行の友人が思わず薄くなりかけている頭を手で庇っていた。
「大丈夫、毟られるという祟りがあるわけじゃないから」とオザナリになだめておいた。
ところがどっこい、この名前は富士山を臨むところに3つもあるという。
なんだ……人々に愛されているんじゃないか「毛無山」……。
で、まったく話は飛ぶ。
近くの駅にある「床屋」に帰りに寄った。
先客が二人。
はっきり言って、二人ともウスラハゲである。
こりゃ理容師も大変ねェって思ったが、
よく見るとそれぞれの理容師もウスラハゲ。
ウスラハゲがウスラハゲの残り少ない毛を毟っている。
いや、刈っている。
高齢化が深刻化する日本の縮図なんだろうね、これって。
日本語で「無い袖は振れない」ということを、
ドイツ語では「禿げ頭からは毛は抜けない」というニベもない言い方をする。
大丈夫、先輩二人の袖はまだまだ十分に振れていますよ。
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