(ハルジオン:キク科)
この植物には「貧乏草」という俗名があり、家人はこれを庭先に見つけると、「貧乏になるから……」と言ってすぐに引っこ抜いていた。
北アメリカ原産ながら、可愛いらしいところが十分にあるこの植物に、なぜこんな俗名がついたのだろう?さらに追いかけて、「この花を折ったり、摘んだりすると貧乏になる」という巷間の伝えもあるというではないか。
何の事はない。家人は「貧乏になる」方向性を選択していたことになる。道理でジリ貧であった。
やっとネーミングの理由が分かった。「どんな貧乏な家にも咲いてくれるやさしい花」ということかららしい。
そして、2016年に「乃木坂46」が『ハルジオンの咲く頃』という歌をリリースした。
♫ハルジオンが道に咲いたら
君のことを僕らは思い出すだろう
いつもそばで微笑んでいた
ひなたのようなような存在
心癒してくれた
白い花の可憐さ……♫
これでは作法に欠けるんじゃない?
一節おわるごとに、「貧乏草!!」というシャウトを入れるのが正しいと思う。
♫
ハルジオンが道に咲いたら
貧乏草!!
君のことを僕らは思い出すだろう
貧乏草!!
いつもそばで微笑んでいた
貧乏草!!
……
♫
のように。
(ナズナ:ぺんぺん草)
この「貧乏草」に似たストーリーを持っているのが「ぺんぺん草」。
「ぺんぺん草しか生えてない」or「ぺんぺん草も生えない」で荒れ果てた風景をいう。「ペンペン草」とは「ナズナ」のことで、縄文くらいの昔に中国から麦と一緒に入ってきた。すこぶる生命力の旺盛な植物。花が咲いたあと下部から順に種子になるが、それが三味線のバチに似ているので「ぺんぺん」草というのだという。
日本の庭はとっくにグローバル化が済んでいて、その渡来人たちの逞しさはさすがだ。目を瞠るものがある。
0コメント