植物と付き合ってきての一般論で言えば、
「花が綺麗なものは実がしょうもなく、実の綺麗なものは花はショボい」。
そうか……
「花も人間も人生のどこかでは目立ちたい」
……だよなぁって思っていた。
そして、
願わくば「花も実もある人生」を……と。
だが、そんなのはこちらの勝手読みに過ぎなかった。
きれいな花は「虫媒花」とか「鳥媒花」で、その色合いで〝そこつ者〟を誘惑して、花粉の受粉を手伝わせるのだと知った。
逆に、実が綺麗なのはすべて鳥散布種子だという。赤く熟して鳥に食べごろだよと知らせているのだ。鳥はこの熟した種子を飲み込み、糞と一緒に遠くまで撒き散らされることになる。
そして、この鳥の胃や腸で消化されることによってのみ、発芽のスイッチが入るという。この神妙さを知ったときには、思わず神に平伏した。
とにかく、庭のいろんなところにこのセンリョウ(マンリョウも……)が増えていくのは、小鳥たちの〝落とし胤(たね)〟に間違いない。
アメリカでは、12月に入れば至る所クリスマスの花の「ポインセチア」の赤と緑で溢れる。日本ではこのセンリョウがクリスマスにもお正月にもいいのじゃないかって思っている。現にそうしている。
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