ぴちゃぴちゃ


1980年発売のTOTOの「ウォシュレットG」が「日本機械学会」の「機械遺産」に認定されたという。  
これは当初、米国の医療用洗浄便座を輸入販売したが、売れ行きはさっぱりで、それではということで一般家庭向けのものを開発した。その後、「温水洗浄便座」は普及が進み、他社からも販売されるようになった。現在の世帯普及率は70%を超えているという。この「ウォシュレット」は「温水洗浄便座」の代名詞になり、「日本人の生活様式やトイレの設備環境を一変させた」として「機械遺産」に認定した。
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もうかれこれ7〜8年になると思う。当時36、7歳の若い人とアメリカはLAに旅をした。
ホテルで初日の夜を過ごして、カフェテリアでの朝食。終えた頃に、彼が待ちかねたように切り出した。
「あの〜、アメリカにはウオッシュレットというのはないのですか?」

と尋ねてきた。
「このホテルじゃなくて、どこかのホテルがウオシュレットにしているって聞いたことある。まあ一般的ではない。マドンナがお気に入りとは言っても、メジャーになっていないよね」
「紙で拭くだけでは、なにかまだ残っている感じがして。すぐ横のバスの水でぴちゃぴちゃ洗うんですよ。あ、尾籠ですみません」
「いやいや、ビローでいいよ。ぴちゃぴちゃ……ね」

実はこの時、酷くジェネレーション・ギャップを感じていた。
われわれの年代はうかうかするとトイレット・ペイパーで拭くことでさえハイソ感がある。御幼少のみぎりは新聞紙の切ったものを手でくしゃくしゃにナメして柔らかくして拭いていた。
なのに、この若い御仁は物心ついた頃から「ウオシュレット」だったのか!という驚愕。

そして、4年前は「ウオシュレット」が設備されているホテルにしたので、彼はとも快調であるとご満悦であった。

そして、同ホテルの今年。なんと「ウオシュレット」が忽然と消えている。何があったかは知らないが、とにかくない。アメリカ製のものだけ。
……ということで、脱糞の後は、脇のバスの蛇口をひねり、お湯を出してその箇所をぴちゃぴちゃするのである。(アメリカのバスルームというのは便座とバスタブが常に一緒なのはこのためか?)
つまり、この7、8年の間に私もウオシュレットじゃないとダメな体に進化したらしい。

アメリカ人は洗わなくても尻の穴痒くならんの? 


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