蜘蛛の糸

【こんな話】

このような「物語する」ストッキングが流行っているの?

これを見るとどうしても、芥川龍之介が初めて子供向けに書いた短編小説『蜘蛛の糸』を思い出す。
地獄に落ちた泥棒。そいつが生涯で一度だけの善行ー“蜘蛛を踏み潰そうとしたが、それを止めた”ーに対して、釈迦が彼を救い出してやってもいいかなと思って、「蜘蛛の糸」を垂らすのだが……。

この話をときどき思い出すのは何故だ?
釈迦はなぜこの小悪党だけを選んで手を差し伸べたのか?
「この糸は俺のものだ。下りろ」って、こいつが怒鳴っても怒鳴らなくても、そんな大勢がしがみつけば切れるんじゃない?

それにしても、このストッキングのシームを登る黒づくめの男はどこを目指しているんだ?
やはり、パラダイスの花園ね。

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