(「極楽鳥花」)
今年も、「アガパンサス」が咲いた。意外と日本の庭にも帰化している南アフリカ原産の一つ。「アガパンサス」はギリシャ語agape(アガペ =愛)とanthos(アントス =花)の2語の組み合わせで、つまりは「愛の花」だ。
1993年5月にLAに赴任して「ハンコック・パーク」に家を借りた。半月遅れでやってくるはずの妻がもっと遅れて秋になるという知らせ。乳癌が見つかったのだという。彼女を迎えてhomeになるはずだったのに houseのままだ。
その houseの前庭に咲いていたのが、この印象的な「アガパンサス」。初めて見る花だけど、〝身代わり〟なのか……。
9月の終わり頃に妻がロスアンゼルス空港にはにかみながらやって来た。
houseの前庭には同じ南アフリカ原産の「極楽鳥花」が咲いていた。
彼女が来て、houseはあっという間にhomeになった。
帰国して、我が庭にもその「アガパンサス」が潜んでいたことを知った。
これが咲くと必ずハンコックパークのhomeと乳癌だった妻を想う。
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